港区の事務ミス防止策について

今、葛飾区の、私立認可保育園への補助金支給の間違い、約5億1000万円の過払い問題がニュースになっています。少し前には、阿武町が、給付金4630万円を誤って一人に振り込んだ、誤振込ニュースで世を賑わせました。

港区の場合、港区HPの区政情報コーナーで事務ミスを公開していて、誰でも見る事が出来るのですが、例えば2022年度には、金銭に関して、以下の報告がされています(6月当初)。

  • 2月3日 高額介護サービス費の算定誤りによる過少支給
  • 4月4日 保育園保育料の算定の誤り
  • 4月7日 保育園保育料の算定の誤り(②の続き)
  • 5月30日 認証保育所・認可外保育施設保育料補助金の誤交付

私は、今回の議会質問で、実効的な事務ミス防止策についての質問をしたのですが、事前に、過去の金銭の「過払い」類型を調査しています。過払い類型とは、区が何かしらのミスで多く金銭を支払ったものや、本来対象ではない相手に支払ったり、二重払いなどの類型を指します。

平成29年から令和3年まで、過払い類型のミスは8件起きていましたが、その担当課は、産業振興課に関するものが2件、保育課は2件、障害者福祉課で2件など、複数部署で発生してました。

さて、議会質問ですが、過去の不適正事務に関しての検証が適切になされていたのか? 今後の再発防止策の検討で注意すべき事について、質問しています。

それは、調査の結果、以下の「問題」が発覚したからです。

不適正事務がおきた場合、港区では、担当部署から事故報告が危機管理課にあげられます。その書類を分析して、適正事務推進担当という部署において、区全体の再発防止に取り組みます。そのため、事故報告書の内容も重要です。

今回、この事故報告を検討すると、何度も目にする言葉がありました。

ダブルチェック、です。

ミスが発生した担当課もバラバラなら、原因も異なるのに、再発防止策は同じ単語が繰り返し登場していました。

これは、報告書が形骸化しているという事。

そもそも、ダブルチェックはミス発見の手法であり、ミス防止の手法ではありません。また、ミス発見に限定しても、ダブルチェックが有効な場面と、シングルチェックが有効な場面があります。形骸化した事故報告書を資料にして再発防止策を検討しても、効果的ではありません。

今回、区は、外部の事業者に相当額の支払いをして業務委託し、事務ミス防止に取り組むと公表しているので、基礎となる資料がいい加減なままでは問題です。

これらの問題点は、質問の前に担当者には具体的に指摘し、その上で質疑をしました。

なお、事故報告書の内容の問題だけでなく、児童相談所が事故報告をすべきミスで事故報告をしていないという、不適切対応もあるのですが、これはまた別途取り組みます。

第二回定例会は、外形は2週間の短い会期でしたが、いくつもの重要案件、例えば羽田の新飛行ルートや神宮外苑の開発関連の議題など、議論白熱する案件も多いため、毎日がクタクタでした。

金曜で本会議は終わりましたが、仕事は次々飛び込んできて、週末も週明けも色々な調査やヒアリングで動いております。

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